敗血症性ショックを合併した腹腔内感染症の治療戦略

要旨:敗血症性ショックを合併している腹腔内感染症患者の手術導入のタイミング決定は難しい。われわれは敗血症性ショックを合併した消化管穿孔患者に対して,early goal-directed therapy(EGDT)を初期蘇生として利用して,かつ患者の循環動態に関わらず手術を導入するearly infectious source control(EISC)を行う日大プロトコールを用いて治療を行ってきた。それらの症例を対象に手術導入までの時間と転帰の関係を検討した。患者は137例が登録された。手術導入までの時間が6時間を超えると60日生存が0%であることが示された。統計学的検討は,手術導入までの時...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 33; no. 6; pp. 997 - 1004
Main Author 小豆畑, 丈夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2013
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.33.997

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Summary:要旨:敗血症性ショックを合併している腹腔内感染症患者の手術導入のタイミング決定は難しい。われわれは敗血症性ショックを合併した消化管穿孔患者に対して,early goal-directed therapy(EGDT)を初期蘇生として利用して,かつ患者の循環動態に関わらず手術を導入するearly infectious source control(EISC)を行う日大プロトコールを用いて治療を行ってきた。それらの症例を対象に手術導入までの時間と転帰の関係を検討した。患者は137例が登録された。手術導入までの時間が6時間を超えると60日生存が0%であることが示された。統計学的検討は,手術導入までの時間が60日生存を決定する重要な因子であることを示した。われわれは敗血症性ショックを合併した消化管穿孔患者の感染コントロール手術は,循環動態に関わらず6時間以内に開始することが望ましいと結論する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.33.997