感染防止対策地域連携活動による感染制御活動の改善効果:手指消毒薬使用量および薬剤耐性菌検出率に与える影響

感染防止対策地域連携活動による感染対策状況の変化について検討するため,新潟市民病院および感染防止対策加算に基づく連携を行っていた5施設を対象に感染対策に関するアンケート調査を実施し,手指消毒薬の使用量と薬剤耐性菌検出数の経年的な変化を比較した.その結果,感染防止対策地域連携活動により,加算取得施設が増加し,infection control teamの組織活動が充実した.また,手指消毒薬使用量が平均6.72 L/1000 patient-days(2014年度)から9.52 L/1000 patient-days(2016年度)と有意に増加した(P = 0.03).さらに,methicilli...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 35; no. 6; pp. 241 - 246
Main Authors 中下, 愛実, 三星, 知, 大﨑, 角栄, 伊藤, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 25.11.2020
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ISSN1882-532X
1883-2407
DOI10.4058/jsei.35.241

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Summary:感染防止対策地域連携活動による感染対策状況の変化について検討するため,新潟市民病院および感染防止対策加算に基づく連携を行っていた5施設を対象に感染対策に関するアンケート調査を実施し,手指消毒薬の使用量と薬剤耐性菌検出数の経年的な変化を比較した.その結果,感染防止対策地域連携活動により,加算取得施設が増加し,infection control teamの組織活動が充実した.また,手指消毒薬使用量が平均6.72 L/1000 patient-days(2014年度)から9.52 L/1000 patient-days(2016年度)と有意に増加した(P = 0.03).さらに,methicillin-resistant Staphylococcus aureusの検出率およびmulti-drug-resistant Pseudomonas aeruginosaの検出率は減少傾向を認めた.以上の結果より,感染防止対策加算に基づく地域連携により,各施設での感染制御活動は充実し,手指消毒薬の使用量の増加を認め,その結果薬剤耐性菌検出数は減少することが示唆された.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.35.241