腹腔鏡補助下に修復しえたS状結腸間膜内ヘルニアの1例

症例は46歳男性。突然の下腹部痛を主訴に当院救急搬送された。CTでS状結腸間膜の背側に限局した小腸拡張像を認め,S状結腸間膜ヘルニアによるイレウスと診断し緊急手術を施行した。腹腔鏡で腹腔内を観察したところ,S状結腸間膜左葉に欠損を認め,同部位より脱出・嵌頓した小腸20cm程度は血流不全に陥っていた。嵌頓解除後ヘルニア門を閉鎖し,嵌頓していた小腸を臍部より体外に誘導して切除し,機能的端端吻合で再建した。術後経過は良好であった。S状結腸間膜ヘルニアは比較的まれな腹部救急疾患であるが,腹腔鏡手術で良好な治療経過を得ることができる。文献的考察を加え報告する。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 34; no. 3; pp. 765 - 769
Main Authors 板垣, 亮平, 堀, 義城, 新井, 俊文, 仲本, 博史, 長谷川, 弥子, 畑中, 正行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2014
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.34.765

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Summary:症例は46歳男性。突然の下腹部痛を主訴に当院救急搬送された。CTでS状結腸間膜の背側に限局した小腸拡張像を認め,S状結腸間膜ヘルニアによるイレウスと診断し緊急手術を施行した。腹腔鏡で腹腔内を観察したところ,S状結腸間膜左葉に欠損を認め,同部位より脱出・嵌頓した小腸20cm程度は血流不全に陥っていた。嵌頓解除後ヘルニア門を閉鎖し,嵌頓していた小腸を臍部より体外に誘導して切除し,機能的端端吻合で再建した。術後経過は良好であった。S状結腸間膜ヘルニアは比較的まれな腹部救急疾患であるが,腹腔鏡手術で良好な治療経過を得ることができる。文献的考察を加え報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.34.765