大腿筋膜で再修復した腹壁瘢痕ヘルニア術後遅発性メッシュ感染の1例

症例は61歳の女性で,2005年膵内分泌腫瘍に対して膵頭十二指腸切除術を施行,2008年腹壁瘢痕ヘルニアを発症し,他院でComposix Kugel Patch(以下CKPと略記)Sサイズによるヘルニア修復術を行った.2009年腹壁瘢痕ヘルニアの再発あり,前回のメッシュを除去してCKP Lサイズによるヘルニア修復術を行った.術後経過は良好であったが,2011年腹部の発赤・腫脹が出現し当院を受診した.腹部CTで皮下に膿瘍と思われる低吸収域を認め,メッシュ感染と診断した.切開排膿手術を施行,合わせて同部の洗浄,抗生剤投与を行った.しかし,5カ月を経過しても感染が遷延するため,形成外科医の協力のもと...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 1; pp. 233 - 237
Main Authors 網木, 学, 三鍋, 俊春, 河野, 至明, 小池, 太郎, 本田, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.233

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Summary:症例は61歳の女性で,2005年膵内分泌腫瘍に対して膵頭十二指腸切除術を施行,2008年腹壁瘢痕ヘルニアを発症し,他院でComposix Kugel Patch(以下CKPと略記)Sサイズによるヘルニア修復術を行った.2009年腹壁瘢痕ヘルニアの再発あり,前回のメッシュを除去してCKP Lサイズによるヘルニア修復術を行った.術後経過は良好であったが,2011年腹部の発赤・腫脹が出現し当院を受診した.腹部CTで皮下に膿瘍と思われる低吸収域を認め,メッシュ感染と診断した.切開排膿手術を施行,合わせて同部の洗浄,抗生剤投与を行った.しかし,5カ月を経過しても感染が遷延するため,形成外科医の協力のもと,メッシュ除去術と大腿筋膜移植による修復術を行った.術後9カ月現在,ヘルニアの再発はなく,局所の感染も認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.233