移植後難治性サイトメガロウイルス髄膜脳炎に対する非完全ヒト化免疫グロブリン髄注療法の有効性と問題点

症例は53歳女性。2012年発症した急性型成人T細胞白血病(ATL)にてモガムリズマブ投与後,部分寛解の状態で骨髄非破壊的臍帯血移植を実施した。Day 22に生着を確認したが,同時に移植片対宿主病(GVHD)が出現した。プレドニゾロンの投与開始後,サイトメガロウイルス脳炎を発症した。抗ウイルス剤投与も無効で,非完全ヒト型免疫グロブリン製剤を髄腔内投与した。一過性に症状の改善及び髄液ウイルス量の低下を認めた。同治療は一時的には有効であるものの,さらなる検討が必要である。...

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Published in日本造血細胞移植学会雑誌 Vol. 6; no. 4; pp. 162 - 165
Main Authors 北川, 智也, 片山, 映樹, 米澤, 昭仁, 大中, 貴史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本造血細胞移植学会 2017
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ISSN2186-5612
DOI10.7889/hct-16-032

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Summary:症例は53歳女性。2012年発症した急性型成人T細胞白血病(ATL)にてモガムリズマブ投与後,部分寛解の状態で骨髄非破壊的臍帯血移植を実施した。Day 22に生着を確認したが,同時に移植片対宿主病(GVHD)が出現した。プレドニゾロンの投与開始後,サイトメガロウイルス脳炎を発症した。抗ウイルス剤投与も無効で,非完全ヒト型免疫グロブリン製剤を髄腔内投与した。一過性に症状の改善及び髄液ウイルス量の低下を認めた。同治療は一時的には有効であるものの,さらなる検討が必要である。
ISSN:2186-5612
DOI:10.7889/hct-16-032