CTにて術前に診断した子宮広間膜ヘルニアの2例
今回われわれは,CTで特徴的な所見を認め,早期に診断し手術しえた子宮広間膜ヘルニアの2例を経験した。症例1は48歳女性,嘔吐と腹痛にて来院。症状は自然軽快し検査所見でも異常がなく帰宅。しかし翌日,腹痛増悪のため再受診。腹部CTにて子宮左側で小腸が拡張し,左卵管付近で狭窄したclosed loop像を認めた。左子宮広間膜ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断,緊急手術を検討したが事情により当院では手術できず,他院へ搬送し手術となった。左子宮広間膜裂孔から小腸が嵌頓しており,壊死のため腸管切除を要した。症例2は44歳女性,腹痛を主訴に来院,触診で腹部反跳痛を認めた。腹部CTでは左子宮広間膜を境に子宮腹...
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          | Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 32; no. 4; pp. 805 - 808 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本腹部救急医学会
    
        2012
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1340-2242 1882-4781  | 
| DOI | 10.11231/jaem.32.805 | 
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| Summary: | 今回われわれは,CTで特徴的な所見を認め,早期に診断し手術しえた子宮広間膜ヘルニアの2例を経験した。症例1は48歳女性,嘔吐と腹痛にて来院。症状は自然軽快し検査所見でも異常がなく帰宅。しかし翌日,腹痛増悪のため再受診。腹部CTにて子宮左側で小腸が拡張し,左卵管付近で狭窄したclosed loop像を認めた。左子宮広間膜ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断,緊急手術を検討したが事情により当院では手術できず,他院へ搬送し手術となった。左子宮広間膜裂孔から小腸が嵌頓しており,壊死のため腸管切除を要した。症例2は44歳女性,腹痛を主訴に来院,触診で腹部反跳痛を認めた。腹部CTでは左子宮広間膜を境に子宮腹側で小腸が拡張していた。左子宮広間膜ヘルニアと診断し緊急手術を施行。小腸は還納され壊死も認めず。左子宮広間膜に裂孔があり,これを閉鎖し手術を終了した。 | 
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781  | 
| DOI: | 10.11231/jaem.32.805 |