精索転移をきたした結腸癌の1例

今回,われわれは結腸癌肝転移切除時に右精索転移性腫瘍を認め,切除した1例を経験したので報告する.症例は68歳,男性.66歳時に結腸癌(盲腸癌)および転移性肝癌に対し,右半結腸切除術+肝亜区域切除術施行.術後,肝転移再発に対し再肝切除術,再々発に対しラジオ波焼灼治療(RFA)施行.術後29カ月目,CEA 62.9ng/mlと上昇,PET-CTにて肝再発および右外腸骨リンパ節領域に集積像を認め,手術となった.術中所見として,右外腸骨リンパ節は腫大しておりサンプリングし,さらに鼠径部に精索と癒着した腫瘍を認め,右精索腫瘍摘出(精管合併切除)を施行した.病理組織学的所見は,右外腸骨リンパ節は陰性であっ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 1; pp. 135 - 138
Main Authors 鈴木, 俊亮, 衛藤, 謙, 大熊, 誠尚, 矢永, 勝彦, 小川, 匡市, 柏木, 秀幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.135

Cover

More Information
Summary:今回,われわれは結腸癌肝転移切除時に右精索転移性腫瘍を認め,切除した1例を経験したので報告する.症例は68歳,男性.66歳時に結腸癌(盲腸癌)および転移性肝癌に対し,右半結腸切除術+肝亜区域切除術施行.術後,肝転移再発に対し再肝切除術,再々発に対しラジオ波焼灼治療(RFA)施行.術後29カ月目,CEA 62.9ng/mlと上昇,PET-CTにて肝再発および右外腸骨リンパ節領域に集積像を認め,手術となった.術中所見として,右外腸骨リンパ節は腫大しておりサンプリングし,さらに鼠径部に精索と癒着した腫瘍を認め,右精索腫瘍摘出(精管合併切除)を施行した.病理組織学的所見は,右外腸骨リンパ節は陰性であったが,精索腫瘍は66歳時の盲腸癌と同様,中分化型腺癌であった.術後4カ月,経過は良好であり,精査上,再発兆候を認めていない.本症例は結腸癌肝転移に精索転移を合併した非常に稀な症例であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.135