薬剤師主導型全病院横断的オーディット「オピオイド回診」の有用性の検討

【背景】当院は急性期病院であり,入院患者に実施したアンケート調査で院内の疼痛管理が不十分な症例があることが明らかとされた.【目的】オピオイドによる疼痛管理や副作用対策について PCTからの推奨提案を行うオピオイド回診の有用性を評価する.【方法】疼痛管理目的で強オピオイドが処方された PCT未介入の全入院患者を対象とした.毎週行うオピオイド回診では,PCT薬剤師が事前に,薬物療法の視点から疼痛管理や副作用対策の適切性を確認した記録をもとに PCTが推奨提案を行った.その受理や症状改善のモニターを行った.【結果】調査期間の 3年間での総介入件数(延べ)は 4,978件であり,そのうち,888件(1...

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Published inPalliative Care Research Vol. 10; no. 2; pp. 149 - 154
Main Authors 千葉, 恵子, 蔵本, 浩一, 永井, 淳子, 川名, 真理子, 佐々木, 忠徳, 橋沢, 幸佑, 舟越, 亮寛, 関根, 龍一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2015
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.10.149

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Summary:【背景】当院は急性期病院であり,入院患者に実施したアンケート調査で院内の疼痛管理が不十分な症例があることが明らかとされた.【目的】オピオイドによる疼痛管理や副作用対策について PCTからの推奨提案を行うオピオイド回診の有用性を評価する.【方法】疼痛管理目的で強オピオイドが処方された PCT未介入の全入院患者を対象とした.毎週行うオピオイド回診では,PCT薬剤師が事前に,薬物療法の視点から疼痛管理や副作用対策の適切性を確認した記録をもとに PCTが推奨提案を行った.その受理や症状改善のモニターを行った.【結果】調査期間の 3年間での総介入件数(延べ)は 4,978件であり,そのうち,888件(17.8%)に改善のための推奨提案を行った.PCTからの推奨提案が受理された症例の症状改善率は82.3%であった.【結語】オピオイド回診は,オピオイドの適正使用や疼痛緩和に対して有用であることが示唆された.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.10.149