13歳女児に発症した乳腺線維腺腫の1例
症例は13歳,女性.1年6カ月前より乳房の左右差を自覚していた.左乳房の増大傾向を認め,近医を受診し,加療目的で当院紹介となった.左乳房に9cm大の弾性硬の腫瘤を触知した.針生検の所見と臨床所見から若年性線維腺腫が疑われ,手術を施行した.整容性を考え,inframammary foldの外下縁に皮膚切開をおいて腫瘍摘出術を行った.腫瘍は鈍的に剥離することができ,乳頭直下の乳腺を損傷することなく,境界明瞭で分葉状の腫瘤を摘出した.葉状腫瘍は本疾患の鑑別疾患として重要であるが,術後病理検査でも若年性線維腺腫の診断で葉状腫瘍を疑う所見はなかった.術後2年経過したが,明らかな再発も認められず,左乳房の...
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          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 3; pp. 640 - 644 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2013
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.74.640 | 
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| Summary: | 症例は13歳,女性.1年6カ月前より乳房の左右差を自覚していた.左乳房の増大傾向を認め,近医を受診し,加療目的で当院紹介となった.左乳房に9cm大の弾性硬の腫瘤を触知した.針生検の所見と臨床所見から若年性線維腺腫が疑われ,手術を施行した.整容性を考え,inframammary foldの外下縁に皮膚切開をおいて腫瘍摘出術を行った.腫瘍は鈍的に剥離することができ,乳頭直下の乳腺を損傷することなく,境界明瞭で分葉状の腫瘤を摘出した.葉状腫瘍は本疾患の鑑別疾患として重要であるが,術後病理検査でも若年性線維腺腫の診断で葉状腫瘍を疑う所見はなかった.術後2年経過したが,明らかな再発も認められず,左乳房の変形や両側乳房の左右差も認められていない.若年性線維腺腫は特に思春期に急速に増大する疾患であるが,本症例は美容面の保持と乳頭の機能温存が可能となったので,若干の文献的考察を加えて報告する. | 
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.74.640 |