横行結腸間膜Castleman病の1例

症例は43歳,男性.2006年9月に頭痛のため近医受診し,血液検査にてCRPの軽度高値を認めた.11月の再検にてCRP 2.0mg/dlと高値が続くため,腹部CT検査を施行したところ胃幽門部大弯側に接して40mm大の充実性腫瘍を認めた.同月,精査目的に当院内科紹介となった.上部消化管内視鏡検査,上部消化管X線検査を施行したが胃内に腫瘍は認めず,幽門大弯側に壁外性の圧排を示唆する隆起を認めた.大網や胃漿膜下原発の腹腔内腫瘍を疑い,手術目的に12月当科入院となった.開腹所見では,腫瘍は横行結腸間膜より発生しており,横行結腸切除術を施行.病理組織学的検査では内部に多くの胚中心を伴うリンパ濾胞の形成と...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 1; pp. 166 - 169
Main Authors 田中, 研次, 重松, 和人, 濵崎, 景子, 中崎, 隆行, 谷口, 英樹, 佐藤, 綾子, 進藤, 久和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.166

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Summary:症例は43歳,男性.2006年9月に頭痛のため近医受診し,血液検査にてCRPの軽度高値を認めた.11月の再検にてCRP 2.0mg/dlと高値が続くため,腹部CT検査を施行したところ胃幽門部大弯側に接して40mm大の充実性腫瘍を認めた.同月,精査目的に当院内科紹介となった.上部消化管内視鏡検査,上部消化管X線検査を施行したが胃内に腫瘍は認めず,幽門大弯側に壁外性の圧排を示唆する隆起を認めた.大網や胃漿膜下原発の腹腔内腫瘍を疑い,手術目的に12月当科入院となった.開腹所見では,腫瘍は横行結腸間膜より発生しており,横行結腸切除術を施行.病理組織学的検査では内部に多くの胚中心を伴うリンパ濾胞の形成と形質細胞の浸潤を認めた.周囲のリンパ節には病変を認めず,限局型,plasma cell typeのCastleman病と診断した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.166