腹腔鏡下手術を有効利用した大腸癌イレウスの治療戦略
2002年1月から2012年2月までに切除した大腸癌イレウス113例を検討した。手術時期は重症,長い病脳期間,固形便が多い例は緊急開腹とし,軽~中等症,大腸内容が液体か気体の例では減圧7日後位までの手術とした。一期的吻合は術中口側腸洗浄が効果的で腸管性状が吻合に適すると判断した例に行い,鏡視下手術は巨大,他臓器浸潤,N2(+)以上は除外し腹腔内操作腔が確保できた例に行った。全例を開腹(O)群54例と鏡視下(L)群59例に分け術後合併症,予後などを検討した。手術直接死はなく,開腹移行率は3.4%であった。L群はO群に比べ有意にstageIVが多く,手術時間,出血量,術後在院期間の平均値と術後合併...
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| Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 32; no. 6; pp. 999 - 1005 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本腹部救急医学会
2012
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI | 10.11231/jaem.32.999 |
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| Summary: | 2002年1月から2012年2月までに切除した大腸癌イレウス113例を検討した。手術時期は重症,長い病脳期間,固形便が多い例は緊急開腹とし,軽~中等症,大腸内容が液体か気体の例では減圧7日後位までの手術とした。一期的吻合は術中口側腸洗浄が効果的で腸管性状が吻合に適すると判断した例に行い,鏡視下手術は巨大,他臓器浸潤,N2(+)以上は除外し腹腔内操作腔が確保できた例に行った。全例を開腹(O)群54例と鏡視下(L)群59例に分け術後合併症,予後などを検討した。手術直接死はなく,開腹移行率は3.4%であった。L群はO群に比べ有意にstageIVが多く,手術時間,出血量,術後在院期間の平均値と術後合併症発生は少かった。合併症のうち縫合不全は有意差なく,術後イレウスはL群では生じずO群と有意差があった。根治度A症例での5年生存率はL群とO群で差はなかった。鏡視下手術を有効利用した大腸癌イレウスの治療戦略は妥当と思われた。 |
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI: | 10.11231/jaem.32.999 |