がん拠点病院における内服抗がん剤 S-1 の院外処方箋 弘前大学医学部附属病院での実態調査
「緒言」内服抗がん剤であるS-1(商品名TS-1)は, フルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグであるテガフールに5-FUの分解阻害剤ギメラシルとリン酸化阻害剤オテラシルカリウムを配合した経口抗悪性腫瘍剤として開発され, 胃がんに対する有効性および安全性から, 1999年1月に製造承認を取得した1). その後, 頭頸部がん, 結腸・直腸がん, 非小細胞肺がん, 手術不能または再発乳がん, 膵がんおよび胆道がんに対して効能・効果が追加承認された. 最近では, さらに適応疾患が拡大・増加する一方で, 注射抗がん剤との併用なども検討されている2,3). さらに, 現在医薬分業の整備に伴いS-1の院...
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Published in | 医療薬学 Vol. 36; no. 2; pp. 99 - 103 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2010
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.36.99 |
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Summary: | 「緒言」内服抗がん剤であるS-1(商品名TS-1)は, フルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグであるテガフールに5-FUの分解阻害剤ギメラシルとリン酸化阻害剤オテラシルカリウムを配合した経口抗悪性腫瘍剤として開発され, 胃がんに対する有効性および安全性から, 1999年1月に製造承認を取得した1). その後, 頭頸部がん, 結腸・直腸がん, 非小細胞肺がん, 手術不能または再発乳がん, 膵がんおよび胆道がんに対して効能・効果が追加承認された. 最近では, さらに適応疾患が拡大・増加する一方で, 注射抗がん剤との併用なども検討されている2,3). さらに, 現在医薬分業の整備に伴いS-1の院外処方も増加し, S-1をとりまく環境は年々複雑化してきているが, こうした状況に関する詳細な報告はない. 著者らが従事する弘前大学医学部附属病院(以下, 当院と略す)は, 青森県の津軽地域を中心とするがん拠点病院としてその中核的役割を果たしているが, S-1の使用量も年々増加してきている. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.36.99 |