術前診断しえた左傍十二指腸ヘルニアに対し,完全腹腔鏡下に修復した2例
症例1は64歳女性。朝からの腹痛を主訴に当院受診,造影CT検査を施行し左傍十二指腸ヘルニアと診断した。緊急で腹腔鏡下ヘルニア根治術を施行した。大量の小腸がTreitz靭帯左側に嵌頓しており,小腸を牽引,整復後,3cm大のヘルニア門を体内結紮により閉鎖した。症例2は67歳女性。腹痛を主訴に当院受診,造影CT検査を施行し左傍十二指腸ヘルニアが疑われた。臨床症状,検査所見ともに虚血所見に乏しく,胃管留置による保存的加療を行った後,入院3日目に小腸内視鏡下に小腸造影検査を行ったところ,近位空腸は拡張,蛇行しており,腸管の嵌頓と判断した。準緊急で腹腔鏡下ヘルニア根治術を施行した。Treitz靭帯左側の腸...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 883 - 887 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.07.2018
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.38.883 |
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Summary: | 症例1は64歳女性。朝からの腹痛を主訴に当院受診,造影CT検査を施行し左傍十二指腸ヘルニアと診断した。緊急で腹腔鏡下ヘルニア根治術を施行した。大量の小腸がTreitz靭帯左側に嵌頓しており,小腸を牽引,整復後,3cm大のヘルニア門を体内結紮により閉鎖した。症例2は67歳女性。腹痛を主訴に当院受診,造影CT検査を施行し左傍十二指腸ヘルニアが疑われた。臨床症状,検査所見ともに虚血所見に乏しく,胃管留置による保存的加療を行った後,入院3日目に小腸内視鏡下に小腸造影検査を行ったところ,近位空腸は拡張,蛇行しており,腸管の嵌頓と判断した。準緊急で腹腔鏡下ヘルニア根治術を施行した。Treitz靭帯左側の腸間膜間隙に嵌頓していた小腸を牽引,整復し,3cm大のヘルニア門を体内結紮により閉鎖した。術前診断しえた左傍十二指腸ヘルニアに対して,完全腹腔鏡下に手術を遂行した2例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.38.883 |