腐食性食道炎の3例

症例1は58歳,女性.苛性ソーダを服用した後に,咽頭の完全閉鎖が形成された.食道の炎症は強く,胃は鉛管状に変形していたため,服用から4カ月後に,下咽頭喉頭頸部食道摘出・咽頭回腸吻合術を施行した.症例2は24歳,女性.苛性ソーダを服用した後に,内視鏡拡張術抵抗性の食道狭窄が形成された.胸部食道周囲の炎症は軽度であり,頸部食道は炎症を認めなかったため,服用から1年3カ月後に右開胸食道亜全摘・胃管再建術を施行した.症例3は63歳,男性.アルカリ洗剤を服用した後に,喉頭蓋の癒着・食道狭窄が形成された.食道周囲の炎症は軽度であったため,服用から5年後に下咽頭喉頭摘出・非開胸食道抜去・咽頭胃管吻合術を施行...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 4; pp. 714 - 719
Main Authors 久倉, 勝治, 松村, 英樹, 寺島, 秀夫, 田村, 孝史, 大河内, 信弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.714

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Summary:症例1は58歳,女性.苛性ソーダを服用した後に,咽頭の完全閉鎖が形成された.食道の炎症は強く,胃は鉛管状に変形していたため,服用から4カ月後に,下咽頭喉頭頸部食道摘出・咽頭回腸吻合術を施行した.症例2は24歳,女性.苛性ソーダを服用した後に,内視鏡拡張術抵抗性の食道狭窄が形成された.胸部食道周囲の炎症は軽度であり,頸部食道は炎症を認めなかったため,服用から1年3カ月後に右開胸食道亜全摘・胃管再建術を施行した.症例3は63歳,男性.アルカリ洗剤を服用した後に,喉頭蓋の癒着・食道狭窄が形成された.食道周囲の炎症は軽度であったため,服用から5年後に下咽頭喉頭摘出・非開胸食道抜去・咽頭胃管吻合術を施行した.手術までの時期の異なる腐食性食道炎3例を経験し,いずれも良好な経過を得たので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.714