救急手術で救命した99歳大腸穿孔の1例
高齢化社会に伴い90歳以上の超高齢者に対する手術件数も増加している.超高齢者の汎発性腹膜炎に対し緊急手術で救命しえた1例を報告する. 症例は99歳女性,術前performance statusは1であった.2011年8月,突然の腹痛を主訴に救急搬送された.腹部全体に圧痛を認めたが,血液生化学所見では炎症反応は陰性であった.腹部CTでS状結腸より腹腔内へ脱出した便塊・free airを認め,S状結腸穿孔の診断に対しHartmann手術を施行した.腹腔内には便汁とS状結腸穿孔部を認めた.術後はエンドトキシン吸着療法を施行し,人工呼吸管理を行い,術後5日目で抜管となった.術後,せん妄の他に合併症はな...
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          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 4; pp. 987 - 991 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2014
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.75.987 | 
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| Summary: | 高齢化社会に伴い90歳以上の超高齢者に対する手術件数も増加している.超高齢者の汎発性腹膜炎に対し緊急手術で救命しえた1例を報告する. 症例は99歳女性,術前performance statusは1であった.2011年8月,突然の腹痛を主訴に救急搬送された.腹部全体に圧痛を認めたが,血液生化学所見では炎症反応は陰性であった.腹部CTでS状結腸より腹腔内へ脱出した便塊・free airを認め,S状結腸穿孔の診断に対しHartmann手術を施行した.腹腔内には便汁とS状結腸穿孔部を認めた.術後はエンドトキシン吸着療法を施行し,人工呼吸管理を行い,術後5日目で抜管となった.術後,せん妄の他に合併症はなく,第47病日に退院となった.高齢者の腹膜炎は所見に乏しく時に診断に難渋するが,今回の症例では発症早期の診断・治療が救命に結び付いたと考えた. | 
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.75.987 |