地方大学救命センターでの腹部外傷に対する消化器外科医の取り組み
近年,交通事故の減少に伴い高エネルギー外傷による腹部緊急手術は減少してきている。ここでは地方における腹部外傷を含めたAcute care surgery(以下,ACS)の体制や現状について,報告する。都市部の大学病院や総合医療センターでは,各科から救命センターへ派遣された専従医により初期対応がなされ,腹部外傷の専門医(消化器外科医や心臓血管外科医)が専門の手術を担当している。一方,地方においては一般外科医,とくに消化器外科医が腹部外傷を含めた腹部緊急手術(ACS)に対応している。ただ,その件数は少ないため,救急救命医,麻酔科,整形外科,手術室スタッフと研修会を開催,議論を重ねることで情報や手技...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 39; no. 5; pp. 851 - 854 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.07.2019
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.39.851 |
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Summary: | 近年,交通事故の減少に伴い高エネルギー外傷による腹部緊急手術は減少してきている。ここでは地方における腹部外傷を含めたAcute care surgery(以下,ACS)の体制や現状について,報告する。都市部の大学病院や総合医療センターでは,各科から救命センターへ派遣された専従医により初期対応がなされ,腹部外傷の専門医(消化器外科医や心臓血管外科医)が専門の手術を担当している。一方,地方においては一般外科医,とくに消化器外科医が腹部外傷を含めた腹部緊急手術(ACS)に対応している。ただ,その件数は少ないため,救急救命医,麻酔科,整形外科,手術室スタッフと研修会を開催,議論を重ねることで情報や手技の共通認識が向上し,少ない腹部外傷の症例に対応可能となる可能性がある。また,トレーニングシステムに参加することは,若手育成の面から重要である。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.39.851 |