がん終末期患者における血中アンモニアに関する考察
【目的】アンモニアは高度の肝障害や門脈副血行路の発達などにより高値を示すが,がん終末期におけるアンモニアに関する報告はほとんどない.今回,がん終末期患者に対してアンモニアを測定し,後ろ向きに検討した.【方法】緩和ケア目的に入院した患者のうち80例に対し,入院時アンモニアを測定し,高値群,正常群でがん腫,性別,年齢,生存期間,HbA1c,アルブミン,AST,ALT,総ビリルビン,ALP,BUN,プロトロンビン活性値,eGFR,CRP,ヘマトクリット,肝転移の有無,麻薬・便秘薬使用の有無,L3レベル大腰筋面積について検討した.【結果】平均生存期間41.6日のがん終末期患者において高アンモニア血症は...
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| Published in | Palliative Care Research Vol. 10; no. 1; pp. 168 - 173 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本緩和医療学会
2015
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1880-5302 |
| DOI | 10.2512/jspm.10.168 |
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| Summary: | 【目的】アンモニアは高度の肝障害や門脈副血行路の発達などにより高値を示すが,がん終末期におけるアンモニアに関する報告はほとんどない.今回,がん終末期患者に対してアンモニアを測定し,後ろ向きに検討した.【方法】緩和ケア目的に入院した患者のうち80例に対し,入院時アンモニアを測定し,高値群,正常群でがん腫,性別,年齢,生存期間,HbA1c,アルブミン,AST,ALT,総ビリルビン,ALP,BUN,プロトロンビン活性値,eGFR,CRP,ヘマトクリット,肝転移の有無,麻薬・便秘薬使用の有無,L3レベル大腰筋面積について検討した.【結果】平均生存期間41.6日のがん終末期患者において高アンモニア血症は21.3%に認めた.単変量解析では性別と肝転移で有意差を認め,ロジスティック回帰では肝転移が抽出された.【結論】肝転移を有するがん終末期患者は,高アンモニア血症を呈することが有意に多かった. |
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| ISSN: | 1880-5302 |
| DOI: | 10.2512/jspm.10.168 |