成人特発性胃破裂の1例

特発性胃破裂は新生児に多く,成人ではまれである.症例は75歳,女性.整形外科の術後リハビリ入院中に,腹部膨満感を訴え,画像精査にて上部消化管穿孔と診断された.保存的治療が困難と判断し,緊急手術を施行した.術中所見では,胃体中部前壁に穿孔を認め,同部位から多量の食物残渣が腹腔内に漏出していた.内腔の観察で明らかな潰瘍性病変を認めず,特発性胃破裂と診断した.腹腔内を洗浄し,穿孔部位の縫合閉鎖を行った.術前画像で,幽門部の通過障害が否定できなかったため,胃空腸吻合術を追加した.術後合併症なく軽快退院した....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 5; pp. 873 - 875
Main Authors 壁島, 康郎, 氣賀澤, 悠, 小泉, 亘, 森本, 洋輔, 柏木, 浩暢, 西岡, 道人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.80.873

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Summary:特発性胃破裂は新生児に多く,成人ではまれである.症例は75歳,女性.整形外科の術後リハビリ入院中に,腹部膨満感を訴え,画像精査にて上部消化管穿孔と診断された.保存的治療が困難と判断し,緊急手術を施行した.術中所見では,胃体中部前壁に穿孔を認め,同部位から多量の食物残渣が腹腔内に漏出していた.内腔の観察で明らかな潰瘍性病変を認めず,特発性胃破裂と診断した.腹腔内を洗浄し,穿孔部位の縫合閉鎖を行った.術前画像で,幽門部の通過障害が否定できなかったため,胃空腸吻合術を追加した.術後合併症なく軽快退院した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.873