末梢動脈閉塞症に対するプロスタグランディンE1の臨床的検討

63例の末梢動脈閉塞症に対してPGE1の点滴静注または持続動脈内注入を行い, その結果について検討を行った.その結果, PGE160ugを点滴静注した42症例62肢のうち, ASO11例, 15肢では約46.7%の有効率が得られ, TAO31例, 47肢では約55.3%の有効率であった.両者を合計すると, 点滴静注法の有効率は約53.2%であったが, 種々の条件により持続動脈内注入の不可能な症例には是非試みるべきであると考えられる.また, 持続動脈内注入を行ったTAO32例, 33肢では約81.8%と高い有効率が得られた.この事は, 観血的なカテーテル挿入, 感染予防に関する注意, 患者の行動...

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Published in順天堂医学 Vol. 30; no. 4; pp. 417 - 423
Main Author MIYAZAKI, TOYO
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 1984
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ISSN0022-6769
2188-2134
DOI10.14789/pjmj.30.417

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Summary:63例の末梢動脈閉塞症に対してPGE1の点滴静注または持続動脈内注入を行い, その結果について検討を行った.その結果, PGE160ugを点滴静注した42症例62肢のうち, ASO11例, 15肢では約46.7%の有効率が得られ, TAO31例, 47肢では約55.3%の有効率であった.両者を合計すると, 点滴静注法の有効率は約53.2%であったが, 種々の条件により持続動脈内注入の不可能な症例には是非試みるべきであると考えられる.また, 持続動脈内注入を行ったTAO32例, 33肢では約81.8%と高い有効率が得られた.この事は, 観血的なカテーテル挿入, 感染予防に関する注意, 患者の行動制限などの問題はあるが, 積極的な保存療法として本法を多いに活用すべきであることを示す結果であると考えられる.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.30.417