S状結腸直接浸潤で発見され術前診断した虫垂粘液癌の1例
症例は66歳,男性.便潜血陽性の精査にて施行した大腸内視鏡でS状結腸に陥凹を伴う隆起性病変を認め,生検で粘液癌の診断であった.虫垂開口部付近に粘膜下腫瘍状の隆起を認めたが,生検は施行しなかった.腹部CTにてS状結腸と盲腸に接した7×4cm大の嚢胞状腫瘤を認めた.虫垂粘液癌のS状結腸浸潤と術前診断し,D3郭清を伴う回盲部切除とS状結腸,回腸部分切除術を施行した.術後はmFOLFOX6による補助化学療法を施行したが,1年6カ月後に腹部大動脈周囲リンパ節再発をきたし,その後1年以上bevacizumab+capecitabineによる化学療法を継続中である.今回の文献検索では,S状結腸浸潤を伴う虫垂...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 79; no. 5; pp. 1044 - 1048 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2018
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.79.1044 |
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| Summary: | 症例は66歳,男性.便潜血陽性の精査にて施行した大腸内視鏡でS状結腸に陥凹を伴う隆起性病変を認め,生検で粘液癌の診断であった.虫垂開口部付近に粘膜下腫瘍状の隆起を認めたが,生検は施行しなかった.腹部CTにてS状結腸と盲腸に接した7×4cm大の嚢胞状腫瘤を認めた.虫垂粘液癌のS状結腸浸潤と術前診断し,D3郭清を伴う回盲部切除とS状結腸,回腸部分切除術を施行した.術後はmFOLFOX6による補助化学療法を施行したが,1年6カ月後に腹部大動脈周囲リンパ節再発をきたし,その後1年以上bevacizumab+capecitabineによる化学療法を継続中である.今回の文献検索では,S状結腸浸潤を伴う虫垂癌の報告は3例のみであり,術前診断しえたものは1例のみであった. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.79.1044 |