大学生における慢性機能性便秘発現に及ぼす性および生活習慣との関連 横断的研究
「I. 緒言」便通は個人が自らの日常生活に関わってできる健康管理指標の1つである. 便秘時には, 残便感や腹部の不快感, 胸やけ, 頭痛などの症状がみられると共に, 常習化すると大腸がんや大腸憩室症など様々な大腸疾患の発現と関連することから1~3), 便通の改善は健康維持に重要と考えられている. 最近Peppasらは異なる34集団で調査された21論文をレビューし, ヨーロッパでは対象集団のおよそ17%, オセアニアではおよそ15%にいわゆる慢性機能性便秘が観察されること, 慢性機能性便秘が認められるヒトにおいて健康関連QOLが低下するとともに経済的損失の大きいことを報告した4). また, 北米...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 67; no. 4; pp. 157 - 167 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
2009
日本栄養改善学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.67.157 |
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Summary: | 「I. 緒言」便通は個人が自らの日常生活に関わってできる健康管理指標の1つである. 便秘時には, 残便感や腹部の不快感, 胸やけ, 頭痛などの症状がみられると共に, 常習化すると大腸がんや大腸憩室症など様々な大腸疾患の発現と関連することから1~3), 便通の改善は健康維持に重要と考えられている. 最近Peppasらは異なる34集団で調査された21論文をレビューし, ヨーロッパでは対象集団のおよそ17%, オセアニアではおよそ15%にいわゆる慢性機能性便秘が観察されること, 慢性機能性便秘が認められるヒトにおいて健康関連QOLが低下するとともに経済的損失の大きいことを報告した4). また, 北米女性は男性に比べておよそ2.2倍の高頻度で慢性機能性便秘が観察され5), 我が国でも若年女性の出現率はおよそ26.0%と報告された6). 便秘の発現にはこれまで性4, 7)や加齢4, 8, 9), 食物繊維10), マグネシウム, 水分11)といった栄養成分, 豆類や米, パン, 菓子類などの食品群別摂取量12), 伝統的日本食6), ウォーキング習慣8)や1日の適度な運動13)などが密接に関わると報告されてきた. |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.67.157 |