腹部大動脈瘤を合併した不安定狭心症に対して腹部大動脈ステントグラフト内挿術とオフポンプ冠動脈バイパス術を一期的に施行した2症例

腹部大動脈瘤(AAA)は冠動脈病変(CAD)にしばしば合併することがしられている.そのような症例に対して開腹による人工血管置換術(OS)とオフポンプ冠動脈バイパス術(OPCAB)を一期的に施行した報告が散見されるが,手術侵襲が大きいことからその適応は両者の病状がともに切迫している場合に限られる.今回われわれは手術適応のAAAを合併した不安定狭心症(UAP)2症例に対して腹部大動脈ステントグラフト内挿術(EVAR)と大動脈バルーンパンピング(IABP)補助下のOPCABを一期的に施し良好な結果を得た.瘤径の大きなAAAを合併するUAP症例に対しEVARとOPCABを一期的に施行することは有用な手...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 51; no. 4; pp. 235 - 239
Main Authors 上田, 哲之, 元野, 壮, 片桐, 悠至, 大高, 慎吾, 関, 功二, 外川, 正海
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.07.2022
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.51.235

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Summary:腹部大動脈瘤(AAA)は冠動脈病変(CAD)にしばしば合併することがしられている.そのような症例に対して開腹による人工血管置換術(OS)とオフポンプ冠動脈バイパス術(OPCAB)を一期的に施行した報告が散見されるが,手術侵襲が大きいことからその適応は両者の病状がともに切迫している場合に限られる.今回われわれは手術適応のAAAを合併した不安定狭心症(UAP)2症例に対して腹部大動脈ステントグラフト内挿術(EVAR)と大動脈バルーンパンピング(IABP)補助下のOPCABを一期的に施し良好な結果を得た.瘤径の大きなAAAを合併するUAP症例に対しEVARとOPCABを一期的に施行することは有用な手段であると考えられた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.51.235