肝外発育型細胆管癌の1例

67歳,女性.肝外側区域および左上腹部に巨大腫瘤を認め,当院紹介となった.AFPが16,500ng/mlと高値であり,肝外発育型肝細胞癌の診断にて手術を施行した.腫瘍は肝外側区域に存在し肝外発育を伴い,左横隔膜,左下肺および脾上極に浸潤していた.肝外側区域切除,脾臓摘出,左下肺部分切除,横隔膜部分切除術を施行した.病理所見では肝内腫瘍部は細胆管癌で,肝外腫瘍部は中分化型肝細胞癌であったことから肝細胞癌に分化し肝外発育した細胆管癌と診断した.免疫組織学的検討を行ったところ,肝内腫瘍の細胆管癌部はCEA・cytokeratin 19が陽性であった他,AFPが一部陽性を示した.肝外腫瘍の中分化型肝細...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 79; no. 5; pp. 1083 - 1087
Main Authors 瀧下, 智恵, 土方, 陽介, 土田, 明彦, 永川, 裕一, 佐原, 八束, 勝又, 健次, 山口, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2018
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.79.1083

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Summary:67歳,女性.肝外側区域および左上腹部に巨大腫瘤を認め,当院紹介となった.AFPが16,500ng/mlと高値であり,肝外発育型肝細胞癌の診断にて手術を施行した.腫瘍は肝外側区域に存在し肝外発育を伴い,左横隔膜,左下肺および脾上極に浸潤していた.肝外側区域切除,脾臓摘出,左下肺部分切除,横隔膜部分切除術を施行した.病理所見では肝内腫瘍部は細胆管癌で,肝外腫瘍部は中分化型肝細胞癌であったことから肝細胞癌に分化し肝外発育した細胆管癌と診断した.免疫組織学的検討を行ったところ,肝内腫瘍の細胆管癌部はCEA・cytokeratin 19が陽性であった他,AFPが一部陽性を示した.肝外腫瘍の中分化型肝細胞癌部ではAFP,CEA,cytokeratin 19すべてが陽性であった.術後6カ月で残肝再発し,肝生検行ったところ組織像は中分化型肝細胞癌であった.稀な肝外発育型細胆管癌を経験したので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.79.1083