自動縫合器を用いた気管切離における切離速度とステープル形成の比較検討

気管切離の速度がステープル形成に与える影響について比較検討を行った.slow mode(以下SM)群6例,Adaptive Firing™ technology(以下AFT)群6例とし,いずれの群もブタ摘出気管をトライステープル黒カートリッジにて縫合切離した.気管断端を蛋白分解しステープルを回収,B型形成の肉眼的形状が良好なものから3,2,1,0点に分類した.各点数にステープルの個数を乗じたものを加算し各症例のスコアとした.両群間で回収したステープル個数に有意差はなかった(25.5±1.0個vs 26.3±0.8個,p=0.16)が,切離時間はSM群が有意に長かった(20.5±0.3秒vs 1...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 2 - 6
Main Authors 宮澤, 秀樹, 伊藤, 祥隆, 髙山, 哲也, 新納, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.2019
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.33.2

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Summary:気管切離の速度がステープル形成に与える影響について比較検討を行った.slow mode(以下SM)群6例,Adaptive Firing™ technology(以下AFT)群6例とし,いずれの群もブタ摘出気管をトライステープル黒カートリッジにて縫合切離した.気管断端を蛋白分解しステープルを回収,B型形成の肉眼的形状が良好なものから3,2,1,0点に分類した.各点数にステープルの個数を乗じたものを加算し各症例のスコアとした.両群間で回収したステープル個数に有意差はなかった(25.5±1.0個vs 26.3±0.8個,p=0.16)が,切離時間はSM群が有意に長かった(20.5±0.3秒vs 14.7±0.9秒,p<0.01).スコアはAFT群と比しSM群で有意に良好であった(66.8 vs 49.3,p=0.008).通常より厚いもしくは硬い気管支には,SMでの縫合切離がAFTより安全と考えた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.33.2