片側クローズドロック症例におけるピボット型スプリントによる開口量の回復

本研究の目的は, 片側性クローズドロック症例における慢性の開口障害に対するピボット型スプリントの効果を検討することである。臨床的に関節痛が日常生活に支障のないレベルに改善後も, 慢性の開口障害を有する片側性クローズドロック患者23症例がピボット型スプリントによる治療を受け, 臨床的およびX線学的に評価された。結果, 23例中18例 (78.3%) で治療12週間以内に良好な開口量の回復が得られた。効果の得られなかった患者は, 下顎頭の骨変形を認めたものや, 年齢の高い症例であった。これらの結果から, 疼痛のない開口障害患者では12週間のピボット型スプリントの治療は開口量の回復に効果がある可能性...

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Published inJournal of the Japanese Society for the Temporomandibular Joint Vol. 12; no. 3; pp. 339 - 343
Main Authors 大塚, 明子, 上原, 忍, 倉科, 憲治, 栗田, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 2000
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
Subjects
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu1989.12.339

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Summary:本研究の目的は, 片側性クローズドロック症例における慢性の開口障害に対するピボット型スプリントの効果を検討することである。臨床的に関節痛が日常生活に支障のないレベルに改善後も, 慢性の開口障害を有する片側性クローズドロック患者23症例がピボット型スプリントによる治療を受け, 臨床的およびX線学的に評価された。結果, 23例中18例 (78.3%) で治療12週間以内に良好な開口量の回復が得られた。効果の得られなかった患者は, 下顎頭の骨変形を認めたものや, 年齢の高い症例であった。これらの結果から, 疼痛のない開口障害患者では12週間のピボット型スプリントの治療は開口量の回復に効果がある可能性が示された。しかし, 骨変化の出現する顎内障の進行例では効果は低いと考えられた。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu1989.12.339