大腿ヘルニア嵌頓イレウスに対する内視鏡外科手術を使用した治療戦略

大腿ヘルニア嵌頓イレウスの緊急手術では,しばしば腸管切除を要する。これまで腸管切除症例では術後感染を懸念し meshを用いないヘルニア修復を施行することが一般的であった。しかし,嵌頓のない待機手術症例のヘルニア修復に meshが有効であることから,感染の懸念が同等であれば,腸管切除症例にも meshを用いた修復が望ましいことは明らかである。当院では大腿ヘルニア嵌頓イレウス症例に対し内視鏡外科手術を用いることで,低侵襲かつ全症例に meshを用いた修復を行う治療戦略をとっているので報告する。まず鏡視下に腸管切除の要否を確認し,必要な症例では臍の創を延長し腸管切除を行う。閉創して腹腔操作は終了し,...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 47 - 53
Main Authors 秋山, 岳, 大久保, 浩毅, 植松, 大, 河合, 俊輔, 長谷川, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2013
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.33.47

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Summary:大腿ヘルニア嵌頓イレウスの緊急手術では,しばしば腸管切除を要する。これまで腸管切除症例では術後感染を懸念し meshを用いないヘルニア修復を施行することが一般的であった。しかし,嵌頓のない待機手術症例のヘルニア修復に meshが有効であることから,感染の懸念が同等であれば,腸管切除症例にも meshを用いた修復が望ましいことは明らかである。当院では大腿ヘルニア嵌頓イレウス症例に対し内視鏡外科手術を用いることで,低侵襲かつ全症例に meshを用いた修復を行う治療戦略をとっているので報告する。まず鏡視下に腸管切除の要否を確認し,必要な症例では臍の創を延長し腸管切除を行う。閉創して腹腔操作は終了し,ヘルニア修復は術野消毒を含めた準備をやり直し,前方アプローチで腹膜を損傷せずに行う。このことにより,meshと腸管切除が行われた腹腔には腹膜が介在し感染の riskは最小限になると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.33.47