開腹消化管異物除去手術を7回繰り返した異食症の1例

異食症(pica)とは少なくとも1カ月以上続く,栄養分のない物を繰り返し飲み込む行動様式と定義づけられている.Picaのために7回の開腹異物除去手術を受けた症例を経験した.症例は44歳,男性.既往歴は統合失調症.7回の開腹異物除去手術のうち6回は通過障害で,1回は穿孔で手術となった.異物を飲み込んだ場合は早期にCT,レントゲン,内視鏡検査を行い,異物の数,性状を確認し,必要に応じて内視鏡下異物除去を試みるのがよい.自然排出を期待して観察した場合は,画像検査にて異物が移動しなくなり炎症所見が上昇したときには開腹手術を検討すべきと考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 1; pp. 59 - 63
Main Authors 自見, 政一郎, 山縣, 元, 堤, 宣翁, 佐伯, 祐一, 佛坂, 正幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.59

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Summary:異食症(pica)とは少なくとも1カ月以上続く,栄養分のない物を繰り返し飲み込む行動様式と定義づけられている.Picaのために7回の開腹異物除去手術を受けた症例を経験した.症例は44歳,男性.既往歴は統合失調症.7回の開腹異物除去手術のうち6回は通過障害で,1回は穿孔で手術となった.異物を飲み込んだ場合は早期にCT,レントゲン,内視鏡検査を行い,異物の数,性状を確認し,必要に応じて内視鏡下異物除去を試みるのがよい.自然排出を期待して観察した場合は,画像検査にて異物が移動しなくなり炎症所見が上昇したときには開腹手術を検討すべきと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.59