小腸切除を施行し救命した劇症型Clostridium difficile小腸炎の1例
症例は59歳,男性.直腸癌(Rb,cT2N0M0,Stage I)の診断で腹腔鏡下内肛門括約筋切除術(経肛門的全直腸間膜切除術併用),予防的双孔式回腸人工肛門造設術を施行し,経過良好で術後9日目に退院した.術後17日目に人工肛門の出口部狭窄による腸閉塞の診断で再入院した.排液のClostridium difficile(CD)トキシン陽性であり,CD腸炎と診断し保存加療を開始した.入院4日目に急激に全身状態が不良となり,敗血症性ショックと診断しICUに入室した.CT検査で回腸の著明な壁肥厚と浮腫を認め,劇症型CD腸炎と診断し緊急で小腸部分切除術を施行した.術後,バンコマイシンの注腸投与と集学的...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 1; pp. 84 - 89 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2019
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.80.84 | 
Cover
| Summary: | 症例は59歳,男性.直腸癌(Rb,cT2N0M0,Stage I)の診断で腹腔鏡下内肛門括約筋切除術(経肛門的全直腸間膜切除術併用),予防的双孔式回腸人工肛門造設術を施行し,経過良好で術後9日目に退院した.術後17日目に人工肛門の出口部狭窄による腸閉塞の診断で再入院した.排液のClostridium difficile(CD)トキシン陽性であり,CD腸炎と診断し保存加療を開始した.入院4日目に急激に全身状態が不良となり,敗血症性ショックと診断しICUに入室した.CT検査で回腸の著明な壁肥厚と浮腫を認め,劇症型CD腸炎と診断し緊急で小腸部分切除術を施行した.術後,バンコマイシンの注腸投与と集学的治療により病状改善し,再手術後22日目に自宅退院した.劇症型CD腸炎が小腸に発症した例は稀であり,今回,集学的治療により救命しえた1例を経験したので報告する. | 
|---|---|
| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.80.84 |