鼠径部ヘルニア嵌頓22症例の検討

当院で手術を施行した鼠径部ヘルニア嵌頓症例を検討し,診断と治療法を考察したので報告する。2008年1月から2013年2月までに当院で手術を施行した鼠径部ヘルニア182例のうち嵌頓例は22例(12.1%)であった。外鼠径ヘルニア7例,大腿ヘルニア9例,閉鎖孔ヘルニア6例で,初診時にヘルニア嵌頓と診断された例は18例であった。徒手整復や自然整復された7例は待機手術となり,11例が緊急手術となった。一方,鼠径部への注意不足でヘルニア嵌頓と診断されなかった4例は,原因不明イレウスとしてHBO(Hyperbaric oxygen therapy:高気圧酸素療法)が施行された(待機手術)。術式は待機手術1...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 33 - 36
Main Authors 山田, 真美, 秦, 史壯, 平間, 知美, 池田, 慎一郎, 矢嶋, 知己, 西森, 英史, 岡田, 邦明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2014
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.34.33

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Summary:当院で手術を施行した鼠径部ヘルニア嵌頓症例を検討し,診断と治療法を考察したので報告する。2008年1月から2013年2月までに当院で手術を施行した鼠径部ヘルニア182例のうち嵌頓例は22例(12.1%)であった。外鼠径ヘルニア7例,大腿ヘルニア9例,閉鎖孔ヘルニア6例で,初診時にヘルニア嵌頓と診断された例は18例であった。徒手整復や自然整復された7例は待機手術となり,11例が緊急手術となった。一方,鼠径部への注意不足でヘルニア嵌頓と診断されなかった4例は,原因不明イレウスとしてHBO(Hyperbaric oxygen therapy:高気圧酸素療法)が施行された(待機手術)。術式は待機手術11例と緊急手術7例の18例がKugel法であった。急性腹症患者に遭遇した際,診察医はヘルニア嵌頓も念頭におき,身体的所見やCT画像所見で鼠径部近傍を確認することが肝要であると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.34.33