心不全に潜む冠微小循環障害

「●はじめに」超高齢社会を突き進むわが国において, 心不全パンデミック, 中でもEFの保持された心不全HFpEFの増加が報告されている. 一方で, 他疾患併存のフレイルな高齢者が増える中, 虚血性心疾患治療においても低侵襲カテーテル治療の占める位置づけは益々大きくなっている. 冠動脈ステントの進歩や冠動脈内イメージングガイドの精緻化によって経カテーテル冠動脈インターベンション(PCI)の治療成績は飛躍的に向上し, "心外膜" 冠動脈における血行再建, "心筋虚血の解除" は成熟の域に達しつつある. 他方, 臨床の現場における診断と治療の確立がいまだ道半ば...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 56; no. 2; pp. 195 - 206
Main Author 辻田, 賢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.02.2024
日本心臓財団・日本循環器学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.56.195

Cover

More Information
Summary:「●はじめに」超高齢社会を突き進むわが国において, 心不全パンデミック, 中でもEFの保持された心不全HFpEFの増加が報告されている. 一方で, 他疾患併存のフレイルな高齢者が増える中, 虚血性心疾患治療においても低侵襲カテーテル治療の占める位置づけは益々大きくなっている. 冠動脈ステントの進歩や冠動脈内イメージングガイドの精緻化によって経カテーテル冠動脈インターベンション(PCI)の治療成績は飛躍的に向上し, "心外膜" 冠動脈における血行再建, "心筋虚血の解除" は成熟の域に達しつつある. 他方, 臨床の現場における診断と治療の確立がいまだ道半ばである冠微小循環障害(Coronary Microvascular Dysfunction; CMD)に大きな注目が寄せられ, 臨床応用可能なガイドワイヤベースのCMD指標の上市やエビデンス創出も相まって日米欧でそのガイドラインのアップデートが相次いでいる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.56.195