黒鉛炉原子吸光法による尿中のカドミウムの定量

黒鉛炉原子吸光法は高感度であるが,尿中のカドミウムの直接定量においては,尿中マトリックスが影響し,十分な精度は得られない.そのため,尿中有機物には,従来どおり硝酸-過酸化水素水法による湿式分解を適用し,尿中無機塩類には,2倍希釈とタングステンカーバイド処理管及びランプモードの適用で干渉を除去した. 本法の定量下限は,0.1μg Cd/l-urineであるが,これは過酸化水素水のカドミウム空試験値の変動を考慮した結果であり,超高純度品があれば更に改善される.24時間尿(0.36μg Cd/l-urine)を用いた場合の変動係数は1.76%と良好であった....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in分析化学 Vol. 30; no. 12; pp. 770 - 774
Main Authors 四条, 好雄, 清水, 得夫, 酒井, 馨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.12.1981
Online AccessGet full text
ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.30.12_770

Cover

More Information
Summary:黒鉛炉原子吸光法は高感度であるが,尿中のカドミウムの直接定量においては,尿中マトリックスが影響し,十分な精度は得られない.そのため,尿中有機物には,従来どおり硝酸-過酸化水素水法による湿式分解を適用し,尿中無機塩類には,2倍希釈とタングステンカーバイド処理管及びランプモードの適用で干渉を除去した. 本法の定量下限は,0.1μg Cd/l-urineであるが,これは過酸化水素水のカドミウム空試験値の変動を考慮した結果であり,超高純度品があれば更に改善される.24時間尿(0.36μg Cd/l-urine)を用いた場合の変動係数は1.76%と良好であった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.30.12_770