遺伝学的に確定診断されたMay-Hegglin異常症合併妊娠の一例
May-Hegglin異常症(MHA)は,様々な程度の血小板減少,巨大血小板および顆粒球封入体を特徴とする常染色体顕性疾患である.今回我々は,血小板輸血後に計画分娩を行ったMey-Hegglin異常症合併妊娠の1例を経験したので報告する.症例は28歳,1妊0産.22歳時にMHAの診断となった.自然妊娠後,血小板数は4万/μL前後で推移した.血液内科と協議の上,妊娠38週より血小板輸血後の計画分娩を行う方針とした.妊娠38週0日より分娩誘発を開始し,血小板製剤合計30単位輸血し自然経腟分娩に至った.児は2,552g,出血量は890gであった.児の血小板数は7.5万/μLで巨大血小板を認め,MHA...
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Published in | 日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 61; no. 1; pp. 126 - 131 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
2025
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Subjects | |
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ISSN | 1348-964X 2435-4996 |
DOI | 10.34456/jjspnm.61.1_126 |
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Summary: | May-Hegglin異常症(MHA)は,様々な程度の血小板減少,巨大血小板および顆粒球封入体を特徴とする常染色体顕性疾患である.今回我々は,血小板輸血後に計画分娩を行ったMey-Hegglin異常症合併妊娠の1例を経験したので報告する.症例は28歳,1妊0産.22歳時にMHAの診断となった.自然妊娠後,血小板数は4万/μL前後で推移した.血液内科と協議の上,妊娠38週より血小板輸血後の計画分娩を行う方針とした.妊娠38週0日より分娩誘発を開始し,血小板製剤合計30単位輸血し自然経腟分娩に至った.児は2,552g,出血量は890gであった.児の血小板数は7.5万/μLで巨大血小板を認め,MHAに矛盾しない所見であった.新生児経過に異常なく産後5日目に母児共に退院となった.MHA合併妊娠の確立した診療指針は存在しないが,分娩時の出血リスクや遺伝性疾患の固有性に留意した集学的管理が必要である. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.61.1_126 |