上行大動脈大伏在静脈吻合部仮性動脈瘤に対して胸部ステントグラフト内挿術を施行した1例
高安動脈炎は大動脈弁輪拡張症や冠動脈入口部狭窄をきたし開心術を施行することがあるが,術後に仮性動脈瘤を認めることがあり,治療に難渋する.今回われわれは複数回の開胸術の既往がある患者の上行大動脈大伏在静脈吻合部仮性動脈瘤に対して胸部ステントグラフト内挿術を施行した症例を経験したので報告する.症例は61歳女性.30歳時に大動脈弁輪拡張症,大動脈弁閉鎖不全症,右冠動脈入口部狭窄に対して大動脈弁置換術,冠動脈バイパス術が施行された.術後11年に上行大動脈瘤を認め,Bentall手術が施行された.その後も複数回の開胸術の既往があり,上行大動脈に仮性動脈瘤を認めていた.喀血を主訴に救急搬送され,上行大動脈...
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          | Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 52; no. 1; pp. 46 - 49 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
    
        15.01.2023
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| Subjects | |
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| ISSN | 0285-1474 1883-4108  | 
| DOI | 10.4326/jjcvs.52.46 | 
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| Summary: | 高安動脈炎は大動脈弁輪拡張症や冠動脈入口部狭窄をきたし開心術を施行することがあるが,術後に仮性動脈瘤を認めることがあり,治療に難渋する.今回われわれは複数回の開胸術の既往がある患者の上行大動脈大伏在静脈吻合部仮性動脈瘤に対して胸部ステントグラフト内挿術を施行した症例を経験したので報告する.症例は61歳女性.30歳時に大動脈弁輪拡張症,大動脈弁閉鎖不全症,右冠動脈入口部狭窄に対して大動脈弁置換術,冠動脈バイパス術が施行された.術後11年に上行大動脈瘤を認め,Bentall手術が施行された.その後も複数回の開胸術の既往があり,上行大動脈に仮性動脈瘤を認めていた.喀血を主訴に救急搬送され,上行大動脈大伏在静脈吻合部仮性動脈瘤破裂の診断となった.上行大動脈ステントグラフト内挿術を行い,術後合併症なく,術後18日目に自宅退院した.上行大動脈に対するステントグラフト内挿術は高リスク患者には低侵襲で有用な手術と考えられる. | 
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| ISSN: | 0285-1474 1883-4108  | 
| DOI: | 10.4326/jjcvs.52.46 |