巨大未破裂右 Valsalva 洞動脈瘤に対する単独右室アプローチによる1治験例
Valsalva洞動脈瘤は,心内型,心外型,破裂,非破裂により手術方法は多岐にわたっている.心内型で右室腔内突出型の手術においては,大動脈切開アプローチによるValsalva洞形成の報告は認められる.今回われわれは,単独右室切開アプローチによるValsalva洞形成,瘤切除を経験したので報告する.症例は75歳男性で,労作時易疲労感と心雑音の増強を主訴とし紹介受診となった.画像診断で右室を占拠する長径66 mmの巨大右Valsalva洞動脈瘤を認め,右室流出路狭窄,右室駆出率低下(9.3%)を伴っており,手術適応と判断し手術を施行した.体外循環心停止下に,右室流出路切開に続き瘤を切開後,瘤内より...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 50; no. 1; pp. 49 - 52 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.01.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.50.49 |
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Summary: | Valsalva洞動脈瘤は,心内型,心外型,破裂,非破裂により手術方法は多岐にわたっている.心内型で右室腔内突出型の手術においては,大動脈切開アプローチによるValsalva洞形成の報告は認められる.今回われわれは,単独右室切開アプローチによるValsalva洞形成,瘤切除を経験したので報告する.症例は75歳男性で,労作時易疲労感と心雑音の増強を主訴とし紹介受診となった.画像診断で右室を占拠する長径66 mmの巨大右Valsalva洞動脈瘤を認め,右室流出路狭窄,右室駆出率低下(9.3%)を伴っており,手術適応と判断し手術を施行した.体外循環心停止下に,右室流出路切開に続き瘤を切開後,瘤内よりウシ心膜パッチを用いて右Valsalva洞を形成し,瘤を切除した.術後経過は良好で第14病日に退院となり,術後1年の経過は良好であった. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.50.49 |