血液透析患者における血清リン値のコントロール 高リン血症予防における食事指導を試みて

透析患者における合併症予防には, 自己管理が大きなウエイトを占める。高リン血症は動脈硬化を招くばかりか, 病的骨折など骨への影響は大きく, 血清リン値をコントロールすることは長生きの秘訣と言われている。しかし血清リン値は, 食生活の影響を受けやすいため, 継続して目標値を自己管理することは難しい。またリンはその排泄が便中と透析による除去に限られるため, リンの摂取量に制限が必要となる。そこで, 患者がどんな食物を摂取しているのかを聴き取りの中から把握し, 評価し指導した。そして患者を取り巻く家族の協力も不可欠と考え, 試食会を開催した。また食事指導に加え, 合併症や薬剤の理解を深めるために,...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 63; no. 4; pp. 670 - 674
Main Authors 泉原, 淑恵, 梶屋, 宏美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2014
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.63.670

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Summary:透析患者における合併症予防には, 自己管理が大きなウエイトを占める。高リン血症は動脈硬化を招くばかりか, 病的骨折など骨への影響は大きく, 血清リン値をコントロールすることは長生きの秘訣と言われている。しかし血清リン値は, 食生活の影響を受けやすいため, 継続して目標値を自己管理することは難しい。またリンはその排泄が便中と透析による除去に限られるため, リンの摂取量に制限が必要となる。そこで, 患者がどんな食物を摂取しているのかを聴き取りの中から把握し, 評価し指導した。そして患者を取り巻く家族の協力も不可欠と考え, 試食会を開催した。また食事指導に加え, 合併症や薬剤の理解を深めるために, チームで指導を行なった。結果, 目標値を維持する患者の増加に繋がったので報告する。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.63.670