緩和ケア病棟におけるLiverpool Care Pathway日本語版の使用と非使用に関する後ろ向き検討

【目的】Liverpool Care Pathway日本語版(以下, LCP)使用例と非使用例の分析と検討を行った. 【方法】2013年3~12月に当病棟で死亡退院した患者を対象に, LCP使用群71名と非使用群60名の診療録後ろ向き調査を行った. 【結果】使用群と非使用群の患者背景に有意差はなく, 非使用群は急変死が有意に多く, 深い持続的鎮静施行が有意に少なかった. 使用群の平均使用期間は4.0日で, 開始基準は全例3項目以上に該当していた. 初期アセスメントは1名を除き達成されていた. 非使用群の理由は, 急変のため35名, 急速な病状変化のため14名, 転倒・転落リスクへの対応のため4...

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Published inPalliative Care Research Vol. 9; no. 4; pp. 301 - 305
Main Authors 山本, 直樹, 村上, 真基, 小林, 友美, 佐藤, 裕信, 竹内, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2014
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.9.301

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Summary:【目的】Liverpool Care Pathway日本語版(以下, LCP)使用例と非使用例の分析と検討を行った. 【方法】2013年3~12月に当病棟で死亡退院した患者を対象に, LCP使用群71名と非使用群60名の診療録後ろ向き調査を行った. 【結果】使用群と非使用群の患者背景に有意差はなく, 非使用群は急変死が有意に多く, 深い持続的鎮静施行が有意に少なかった. 使用群の平均使用期間は4.0日で, 開始基準は全例3項目以上に該当していた. 初期アセスメントは1名を除き達成されていた. 非使用群の理由は, 急変のため35名, 急速な病状変化のため14名, 転倒・転落リスクへの対応のため4名などであった. 【結論】使用群では使用基準を満たして適切な時期に開始されていた. LCPは開始基準該当の全患者へただちに使用するのではなく, 急変・急速な病状変化のある患者, 転倒・転落リスクのある患者では非使用となりうることが明らかとなった.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.9.301