三重県伊勢・鳥羽志摩地区の保険薬剤師に対する高齢者糖尿病血糖コントロール目標値の認知度および処方監査の状況調査
「緒言」 現在, 我が国では超高齢社会を迎え, 高齢者糖尿病は増加の一途を辿っている. 高齢者糖尿病における薬物療法は, 腎機能など臓器予備能の低下により副作用も生じやすく, 様々な要因から重症低血糖を起こしやすい. 高齢者の重症低血糖は, 認知機能の低下につながるとともに, 転倒・骨折および心血管イベントのリスクともなり得る. このような現状を背景に, 2015年4月, 「高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会」が設置され, 「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」(ガイドライン)が作成された. このガイドラインでは, 高齢者糖尿病を手段的日常生活動作(手段的...
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| Published in | 医療薬学 Vol. 50; no. 8; pp. 397 - 403 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.08.2024
日本医療薬学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI | 10.5649/jjphcs.50.397 |
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| Summary: | 「緒言」 現在, 我が国では超高齢社会を迎え, 高齢者糖尿病は増加の一途を辿っている. 高齢者糖尿病における薬物療法は, 腎機能など臓器予備能の低下により副作用も生じやすく, 様々な要因から重症低血糖を起こしやすい. 高齢者の重症低血糖は, 認知機能の低下につながるとともに, 転倒・骨折および心血管イベントのリスクともなり得る. このような現状を背景に, 2015年4月, 「高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会」が設置され, 「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」(ガイドライン)が作成された. このガイドラインでは, 高齢者糖尿病を手段的日常生活動作(手段的activities of daily living: ADL), 基本的日常生活動作(基本的ADL), 認知機能, 併発疾患・機能障害によって認知機能が正常であるカテゴリー(C)I, 「軽度認知障害~軽度認知症が認められる」または「基本的ADLが自立したうえで手段的ADLが低下している」CIIおよび「中等度以上の認知症が認められる」, 「基本的ADLが低下」または「多くの併存疾患や機能障害」が認められるCIIIの3つのCに分け, glycohemoglobin A1c(HbA1c)の目標値を設定している. |
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| ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
| DOI: | 10.5649/jjphcs.50.397 |