下顎骨切除に対する新しい腓骨皮弁再建システムの有用性

下顎骨区域切除症例に対して,当科においても,下顎欠損域に対する再建の自由度,軟組織欠損に対する皮弁の血行の安定性,ドナーサイトの手術侵襲の少なさなどから血管柄付腓骨(皮弁)を多く用いるようになった。しかしながら弯曲部を含む骨欠損に対する適切な形態の再現,上顎歯槽部と対合関係の再現等を迅速に行うことは困難であった。これらの問題点を解決するために,新しい腓骨皮弁再建システムを導入したのでその結果を報告する。このシステムを導入することによって,弯曲部を含む骨欠損に対する適切な形態の再現,上顎歯槽部との対合関係の再現,骨接合部での死腔の解消が可能となり,手術時間が大幅に短縮できるなど,多くの点について...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 22; no. 4; pp. 128 - 133
Main Authors 岩井, 聡一, 竹内, 憲民, 中澤, 光博, 青田, 桂子, 墨, 哲郎, 加藤, 逸郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2010
日本口腔腫瘍学会
Subjects
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.22.128

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Summary:下顎骨区域切除症例に対して,当科においても,下顎欠損域に対する再建の自由度,軟組織欠損に対する皮弁の血行の安定性,ドナーサイトの手術侵襲の少なさなどから血管柄付腓骨(皮弁)を多く用いるようになった。しかしながら弯曲部を含む骨欠損に対する適切な形態の再現,上顎歯槽部と対合関係の再現等を迅速に行うことは困難であった。これらの問題点を解決するために,新しい腓骨皮弁再建システムを導入したのでその結果を報告する。このシステムを導入することによって,弯曲部を含む骨欠損に対する適切な形態の再現,上顎歯槽部との対合関係の再現,骨接合部での死腔の解消が可能となり,手術時間が大幅に短縮できるなど,多くの点について有用な結果が得られた。今後,正確化,単純化,低コスト化などを実現し,より良いシステムを構築していくことを考えている。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.22.128