進行再発乳癌患者に対する造影剤急速注入可能ポートの使用経験

進行再発乳癌患者の点滴治療として,造影剤急速注入の可能な留置型ポート(以下パワーポート)を再発乳癌患者4例に留置して,良好な経過を経た症例を経験した.パワーポートを使用して造影CT検査や採血を行った.一般の留置型ポートは耐圧でないため,患者を取り違えにより事故が起こる可能性がある.パワーポートに対しての認知教育と使用マニュアルを作成した.結果としてパワーポートを使用して乳癌患者の造影CT検査で有害事象なく施行できた.抗がん剤使用時の毎回の採血を行ったが,留置10カ月後に1例の閉塞を認めたことの他の有害事象は認められなかった.対象患者のパワーポートの受け入れは良好で,全員が採血や造影に恐怖感を感...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 山田, 博文, 黒田, 徹, 松本, 力雄, 桂田, 純二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.1

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Summary:進行再発乳癌患者の点滴治療として,造影剤急速注入の可能な留置型ポート(以下パワーポート)を再発乳癌患者4例に留置して,良好な経過を経た症例を経験した.パワーポートを使用して造影CT検査や採血を行った.一般の留置型ポートは耐圧でないため,患者を取り違えにより事故が起こる可能性がある.パワーポートに対しての認知教育と使用マニュアルを作成した.結果としてパワーポートを使用して乳癌患者の造影CT検査で有害事象なく施行できた.抗がん剤使用時の毎回の採血を行ったが,留置10カ月後に1例の閉塞を認めたことの他の有害事象は認められなかった.対象患者のパワーポートの受け入れは良好で,全員が採血や造影に恐怖感を感ぜず治療を継続することができた.末梢血管確保困難進行乳癌症例に対してのパワーポートの導入は,患者の苦痛を緩和できる.一方,他のCVポートとの取り違えのリスクがあるため,十分な院内の周知とマニュアル化が必要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.1