大腸がん患者における埋め込み式中心静脈カテーテル閉塞のリスク因子解析

【目的】CVポート留置による合併症を回避することは, 抗がん剤治療, 緩和医療を受ける症例にとって重要である. 【方法】2006年10月~2011年12月に, 岡山大学病院 腫瘍センターでCVポートを介して外来化学療法を施行した大腸がん患者68例におけるCVポート関連合併症を後方視的に検討した. 【結果】CVポート関連トラブルを20例(29.4%) に認め, そのうちルート閉塞または逆血不可を15例に認めた. この15例中, 10例は逆血不可以外の合併症なく, 継続して抗がん剤投与が可能であったが, 残り5例はさらなる合併症のため, CVポートの入れ替えが必要であった. 鎖骨下静脈穿刺・左側静...

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Published inPalliative Care Research Vol. 8; no. 1; pp. 135 - 141
Main Authors 高下, 典子, 松島, 幸枝, 久山, めぐみ, 井上, 佳子, 藤田, 百惠, 平田, 泰三, 西森, 久和, 西本, 仁美, 福武, 恵, 露無, 祐子, 堀田, 勝幸, 田端, 雅弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2013
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.8.135

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Summary:【目的】CVポート留置による合併症を回避することは, 抗がん剤治療, 緩和医療を受ける症例にとって重要である. 【方法】2006年10月~2011年12月に, 岡山大学病院 腫瘍センターでCVポートを介して外来化学療法を施行した大腸がん患者68例におけるCVポート関連合併症を後方視的に検討した. 【結果】CVポート関連トラブルを20例(29.4%) に認め, そのうちルート閉塞または逆血不可を15例に認めた. この15例中, 10例は逆血不可以外の合併症なく, 継続して抗がん剤投与が可能であったが, 残り5例はさらなる合併症のため, CVポートの入れ替えが必要であった. 鎖骨下静脈穿刺・左側静脈穿刺によるCVポート留置が, ルート閉塞のリスク因子であった. 【結論】CVポート関連合併症のうち, 特に逆血不可の症例に関して約1/3は潜在的にCVポートの入れ替えが必要な可能性があることを認識すべきである.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.8.135