つつが虫病患者由来の Karp 型 Orientia tsutsugamushi 56-kDa タンパク遺伝子シークエンスによる亜型分類

山形県,新潟県及び秋田県で発生した Karp 型感染によるつつが虫病患者由来 Orientia tsutsugamushi 遺伝子の亜型分類を行った.30 人の患者血液から抽出された DNA を試料とし,nested-PCR で得られた O. tsutsugamushi の 56-kDa タンパク遺伝子のダイレクトシークエンスを行い,その解析を行った.30 例を解析した結果 27 例と 3 例の 2 つのグループに分類された.データベース株と比較したところ 27 例のグループはJ P-1 型に分類されるyeo-joo 株と,3 例のグループは JP-2 型に分類される CMM1,KNP1 及び...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 85; no. 6; pp. 626 - 631
Main Authors 大谷, 勝実, 青木, 敏也, 金子, 紀子, 瀬戸, 順次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.11.2011
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi.85.626

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Summary:山形県,新潟県及び秋田県で発生した Karp 型感染によるつつが虫病患者由来 Orientia tsutsugamushi 遺伝子の亜型分類を行った.30 人の患者血液から抽出された DNA を試料とし,nested-PCR で得られた O. tsutsugamushi の 56-kDa タンパク遺伝子のダイレクトシークエンスを行い,その解析を行った.30 例を解析した結果 27 例と 3 例の 2 つのグループに分類された.データベース株と比較したところ 27 例のグループはJ P-1 型に分類されるyeo-joo 株と,3 例のグループは JP-2 型に分類される CMM1,KNP1 及び KNP2 株とシークエンスが一致した.また,分子系統樹においてもそれぞれがクラスターを形成し,27 例のグループは JP-1 型,3 例のグループは JP-2 型に分類されると判断された.わが国では,JP-2 型が主流と考えられてきたが,この地域では JP-1 型が主流である可能性がある.今後,この株を分離し精査する必要がある.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi.85.626