全周性の側方発育型腫瘍に対しESD施行後狭窄をきたした一例
「はじめに」内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submucosal dissection: ESD)は, 消化管腫瘍の治療において低侵襲かつ高い治癒率が期待できる標準的な手技であり, 腫瘍径に関係なく一括切除が可能である. しかし, ESDは術中・術後の合併症として, 出血や穿孔, 術後狭窄といったリスクが伴う. 特に全周切除を伴う場合, 狭窄は術後の患者の生活の質に大きな影響を及ぼし得る深刻な問題である. 今回我々は, 直腸からS状結腸にかかる全周性の側方発育型腫瘍に対しESD施行後, ステロイド局所投与を施行するも狭窄を来した一例を経験したので報告する. 「症例」患者: 60代...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 106; no. 1; pp. 102 - 104 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
13.06.2025
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.106.1_102 |
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Summary: | 「はじめに」内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submucosal dissection: ESD)は, 消化管腫瘍の治療において低侵襲かつ高い治癒率が期待できる標準的な手技であり, 腫瘍径に関係なく一括切除が可能である. しかし, ESDは術中・術後の合併症として, 出血や穿孔, 術後狭窄といったリスクが伴う. 特に全周切除を伴う場合, 狭窄は術後の患者の生活の質に大きな影響を及ぼし得る深刻な問題である. 今回我々は, 直腸からS状結腸にかかる全周性の側方発育型腫瘍に対しESD施行後, ステロイド局所投与を施行するも狭窄を来した一例を経験したので報告する. 「症例」患者: 60代女性. 現病歴: 健康診断にて便潜血陽性を指摘され, 下部消化管内視鏡検査を施行したところ, 直腸に全周性の側方発育型腫瘍を認めたため治療目的に当科紹介となった. 血液生化学的所見: CEA, CA19-9, 抗p53抗体はいずれも基準範囲内であった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.106.1_102 |