肝疾患の治療歴のない高年齢層の一般住民における肝の線維化と骨格筋量の減少との関連
「I. 緒言」平成30年の総務省の統計では, 65歳以上の高齢者人口は3,529万人に達し, 総人口に占める割合 (高齢化率) は27.9%となっている. 人口の高齢化は今後さらに加速すると予想されており, 健康寿命の延伸や介護予防の視点から, 高齢者のフレイル (虚弱) またはサルコペニアの対策が公衆衛生上の課題になっている. フレイルは, 老化に伴って様々な機能の脆弱性が亢進した状態であり, 筋力の低下, 認知機能の低下, 精神活動の低下, 生活活動の低下などの広範な要素が含まれる. 一方, サルコペニアは, 骨格筋量の減少を基盤として筋力や身体機能の低下を伴う病態であり, 身体的フレイル...
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Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 74; pp. 18031 - 0 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本衛生学会
2019
日本衛生学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-5082 1882-6482 |
DOI | 10.1265/jjh.18031 |
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Summary: | 「I. 緒言」平成30年の総務省の統計では, 65歳以上の高齢者人口は3,529万人に達し, 総人口に占める割合 (高齢化率) は27.9%となっている. 人口の高齢化は今後さらに加速すると予想されており, 健康寿命の延伸や介護予防の視点から, 高齢者のフレイル (虚弱) またはサルコペニアの対策が公衆衛生上の課題になっている. フレイルは, 老化に伴って様々な機能の脆弱性が亢進した状態であり, 筋力の低下, 認知機能の低下, 精神活動の低下, 生活活動の低下などの広範な要素が含まれる. 一方, サルコペニアは, 骨格筋量の減少を基盤として筋力や身体機能の低下を伴う病態であり, 身体的フレイルの主たる要因を形成する. このような高齢者における骨格筋量の減少に対しては, 加齢のみならず, 身体活動性の低下 (廃用), 栄養不良 (摂取不足や吸収不良), 筋肉を司る神経の変性, 筋肉のタンパク合成・分解に関わる異常などが影響を及ぼすとされている. |
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ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.18031 |