精神科病院認知症専門病棟における認知症高齢者の過去6か月間の転倒経験とBehavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの関連
本研究は,認知症高齢者の転倒予防対策構築の示唆を得るため,精神科病院認知症専門病棟に入院中の認知症高齢者40名の過去6か月間の転倒経験とBPSDとの関連を検討した。本研究対象者の約4割が過去6か月間の転倒経験をもち,BPSDを有している者は全体の85%,BPSDの平均出現個数は1.8±1.3個だった。BPSDと過去6か月間の転倒経験との関連を検討した結果,不眠を有する者は過去6か月間の転倒経験の保有割合が多かった。さらに,不眠と徘徊の2要因と過去6か月間の転倒経験との関連を検討した結果,不眠あり&徘徊あり群は不眠&徘徊群の約3倍の転倒経験保有割合があり,転倒経験の保有に対する不眠と徘徊の相乗効...
Saved in:
Published in | 日本看護研究学会雑誌 Vol. 36; no. 5; pp. 5_49 - 5_55 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本看護研究学会
2013
Japan Society of Nursing Research |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2188-3599 2189-6100 |
DOI | 10.15065/jjsnr.20131007005 |
Cover
Summary: | 本研究は,認知症高齢者の転倒予防対策構築の示唆を得るため,精神科病院認知症専門病棟に入院中の認知症高齢者40名の過去6か月間の転倒経験とBPSDとの関連を検討した。本研究対象者の約4割が過去6か月間の転倒経験をもち,BPSDを有している者は全体の85%,BPSDの平均出現個数は1.8±1.3個だった。BPSDと過去6か月間の転倒経験との関連を検討した結果,不眠を有する者は過去6か月間の転倒経験の保有割合が多かった。さらに,不眠と徘徊の2要因と過去6か月間の転倒経験との関連を検討した結果,不眠あり&徘徊あり群は不眠&徘徊群の約3倍の転倒経験保有割合があり,転倒経験の保有に対する不眠と徘徊の相乗効果が認められた。このことから,認知症高齢者の転倒予防のためには不眠の症状に対する看護介入構築の必要性が示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 2188-3599 2189-6100 |
DOI: | 10.15065/jjsnr.20131007005 |