脂肪性肝疾患について
「要旨」脂肪性肝疾患 (steatotic liver disease : SLD) は, 国際的な疾患概念の再定義がなされ, 代謝異常を背景とする代謝機能障害関連脂肪性肝疾患 (metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease : MASLD) を中心とした新たな分類体系が提唱された. MASLDは, 進行すると肝硬変や肝細胞癌に至るリスクがあるほか, 心血管病や腎障害, 悪性腫瘍を含む多臓器合併症とも関連する全身性疾患である. 本稿では, SLDの疾患概念, 2023年に提唱された奈良宣言に基づくスクリーニングと線維化評価,...
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| Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 21; no. 3; pp. 216 - 220 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本医科大学医学会
20.08.2025
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1349-8975 1880-2877 |
| DOI | 10.1272/manms.21.216 |
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| Summary: | 「要旨」脂肪性肝疾患 (steatotic liver disease : SLD) は, 国際的な疾患概念の再定義がなされ, 代謝異常を背景とする代謝機能障害関連脂肪性肝疾患 (metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease : MASLD) を中心とした新たな分類体系が提唱された. MASLDは, 進行すると肝硬変や肝細胞癌に至るリスクがあるほか, 心血管病や腎障害, 悪性腫瘍を含む多臓器合併症とも関連する全身性疾患である. 本稿では, SLDの疾患概念, 2023年に提唱された奈良宣言に基づくスクリーニングと線維化評価, 生活習慣および薬物療法を含む最新の治療戦略を概説する. SLD診療の質的向上に向け, エビデンスに基づく体系的な診断・介入が実臨床において求められる. |
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| ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
| DOI: | 10.1272/manms.21.216 |