前交通動脈瘤に対する開頭クリッピング術 当院でのアプローチ法選択についての検討

「はじめに」 前交通動脈瘤(AcomA An.)はわれわれ脳神経外科医が臨床にて経験する頻度の高い脳動脈瘤の1つであり, 多部位の動脈瘤に比して破裂する危険性が比較的高いことから, 未破裂瘤として予防的に治療される機会も多い脳動脈瘤である. 開頭クリッピング術においてはpterional approach(PA)とanterior interhemispheric approach(AIH)のいずれかが選択されることがほとんどである. anterior communicating artery complex(AcomA complex)からはhypothalamic arteryを代表とする...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 4; pp. 270 - 277
Main Authors 林, 健太郎, 松尾, 孝之, 諸藤, 陽一, 堀江, 信貴, 日宇, 健, 出雲, 剛, 永田, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.42.270

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Summary:「はじめに」 前交通動脈瘤(AcomA An.)はわれわれ脳神経外科医が臨床にて経験する頻度の高い脳動脈瘤の1つであり, 多部位の動脈瘤に比して破裂する危険性が比較的高いことから, 未破裂瘤として予防的に治療される機会も多い脳動脈瘤である. 開頭クリッピング術においてはpterional approach(PA)とanterior interhemispheric approach(AIH)のいずれかが選択されることがほとんどである. anterior communicating artery complex(AcomA complex)からはhypothalamic arteryを代表とする穿通枝が分岐し, その障害により記銘力低下や精神症状などを呈する. 前交通動脈瘤に対する開頭クリッピング術においてはこれら穿通枝の温存を図るべく, AcomA complexおよび動脈瘤, 穿通枝が十分観察可能でなおかつ操作性の高いアプローチ法選択が重要となる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.270