His束近傍起源の心室性期外収縮と鑑別を要した無冠尖-左冠尖接合部を起源とした心室性期外収縮の1例
症例は68歳女性.基礎心疾患を認めなかった.2010年頃より動悸症状を自覚.2015年のホルター心電図にて左脚ブロック,下方軸タイプの心室性期外収縮(PVC)が46,000発と多発しており,こちらに対してカテーテルアブレーション(RFCA)を実施した.PVCの右室内最早期興奮部位はHis束記録部位に一致したが,同部でのペースマップスコアは不良(10/12)であった.左心系のマッピングでPVCの最早期興奮部位は無冠尖−左冠尖接合部に認め右室側より早かった.同部にて刺激‐QRS時間の延長を伴うパーフェクトペースマップが得られた.同部の通電直後にPVCは消失し,以降再発は認めていない.無冠尖起源のP...
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Published in | Shinzo Vol. 48; no. SUPPL.2; pp. S2_203 - S2_208 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
30.12.2016
Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.S2_203 |
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Summary: | 症例は68歳女性.基礎心疾患を認めなかった.2010年頃より動悸症状を自覚.2015年のホルター心電図にて左脚ブロック,下方軸タイプの心室性期外収縮(PVC)が46,000発と多発しており,こちらに対してカテーテルアブレーション(RFCA)を実施した.PVCの右室内最早期興奮部位はHis束記録部位に一致したが,同部でのペースマップスコアは不良(10/12)であった.左心系のマッピングでPVCの最早期興奮部位は無冠尖−左冠尖接合部に認め右室側より早かった.同部にて刺激‐QRS時間の延長を伴うパーフェクトペースマップが得られた.同部の通電直後にPVCは消失し,以降再発は認めていない.無冠尖起源のPVCは非常に稀で,さらに,本症例は過去の報告と一部異なる心臓電気生理学的特徴を示したため報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.S2_203 |