自然経過で消失した特発性心室頻拍, 若年者の1例

症例は17歳, 男性. 12歳, 中学校入学時の検診にて心室性期外収縮(PVC)を指摘された. 12誘導心電図, 24時間心電図にて左室流出路(LVOT)起源のPVCの多発を認めた. トレッドミル運動負荷検査では負荷にてPVCが増加後, 心拍数150/分の心室頻拍(VT)に移行した. カテーテルアブレーションを実施したところ, 右室流出路中隔背側でVTのQRSに20msec先行, LVOTで20msec先行する電位を認め, LVOTにて良好なペースマップが得られたため, 同部位で数回通電を行ったがVTの根治は得られなかった. β遮断薬内服を開始し経過を観察したところ2年間は同様のVTの出現を認...

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Published inShinzo Vol. 43; no. SUPPL.3; p. S3_125
Main Authors 山科, 順裕, 中川, 孝, 滑川, 明男, 石田, 明彦, 佐藤, 弘和, 八木, 哲夫, 大沢, 上, 佐藤, 英二, 櫻本, 万治郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.43.S3_125

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Summary:症例は17歳, 男性. 12歳, 中学校入学時の検診にて心室性期外収縮(PVC)を指摘された. 12誘導心電図, 24時間心電図にて左室流出路(LVOT)起源のPVCの多発を認めた. トレッドミル運動負荷検査では負荷にてPVCが増加後, 心拍数150/分の心室頻拍(VT)に移行した. カテーテルアブレーションを実施したところ, 右室流出路中隔背側でVTのQRSに20msec先行, LVOTで20msec先行する電位を認め, LVOTにて良好なペースマップが得られたため, 同部位で数回通電を行ったがVTの根治は得られなかった. β遮断薬内服を開始し経過を観察したところ2年間は同様のVTの出現を認めていたが, 15歳時に行った24時間心電図, 運動負荷検査でVTの消失を認め, その後β遮断薬内服中止下でも現在までVTの出現を認めていない. 若年者のPVC/VTに対する積極的治療介入は議論のあるところであり, 若干の文献的考察も含め報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.S3_125