初感染のサイトメガロウイルス腸炎を合併した初発潰瘍性大腸炎の1例
「緒言」サイトメガロウイルス(CMV)は免疫抑制時に再活性化することが多く, 初感染で症候性に転じることは少ない. 今回, 初感染によるCMV腸炎を合併した初発の潰瘍性大腸炎(UC)の1例を経験したので報告する. 「症例」患者: 19歳男性 主訴: 下痢 既往歴: なし 現病歴: 発熱と3 - 4行/日の下痢を主訴に近医を受診し, 感染性腸炎の診断でレボフロキサシンの内服を開始したが, 2週間症状が持続したため紹介受診した. 下痢は水様便~泥状便で血便はなかった. 身体所見: 体温39.0℃. 腹部: 平坦かつ軟, 右側腹部に軽度圧痛あり. 血液検査所見: リンパ球優位の白血球上昇と異型リンパ...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 106; no. 1; pp. 98 - 101 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
13.06.2025
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.106.1_98 |
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Summary: | 「緒言」サイトメガロウイルス(CMV)は免疫抑制時に再活性化することが多く, 初感染で症候性に転じることは少ない. 今回, 初感染によるCMV腸炎を合併した初発の潰瘍性大腸炎(UC)の1例を経験したので報告する. 「症例」患者: 19歳男性 主訴: 下痢 既往歴: なし 現病歴: 発熱と3 - 4行/日の下痢を主訴に近医を受診し, 感染性腸炎の診断でレボフロキサシンの内服を開始したが, 2週間症状が持続したため紹介受診した. 下痢は水様便~泥状便で血便はなかった. 身体所見: 体温39.0℃. 腹部: 平坦かつ軟, 右側腹部に軽度圧痛あり. 血液検査所見: リンパ球優位の白血球上昇と異型リンパ球の出現, 炎症反応の高値, FDPの上昇を認めた. 体幹部造影CT: 盲腸~上行結腸に浮腫状の壁肥厚と腸管膜に多数の小リンパ節腫脹を認めた. 脾腫を認めたが脾梗塞を疑う所見はなかった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.106.1_98 |