薬局薬剤師における「やりがい」と「離職意図」に関連する要因の探索

• Published in: 薬局薬学 Vol. 15; no. 2; pp. 79 - 90
• Main Authors: 櫻井, 秀彦, 光岡, 俊成, 小林, 拓海
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本薬局学会 2023
• Subjects: やりがい; 日本語版バーンアウト・アセスメント尺度; 薬局薬剤師; 離職意図
• ISSN: 1884-3077; 2434-3242
• DOI: 10.32160/yakkyoku.oa.2023-0001

近年，薬局では地域で暮らす患者本位の医薬分業を重視し，対物業務から対人業務への転換が進められている．薬局運営を安定的に行うには，業務内容の変化による薬剤師の「離職意図」を減じ，「やりがい」を向上させる対策を行う必要がある．そのため，本研究では，2021年時点における調査結果から，性別や職務上の責任の違いを踏まえ，「やりがい」や「離職意図」について，「やりがいを感じる経験」や「職務ストレス」がどのように関連するのかを検討した．その結果，「やりがい」は，男性より女性のほうが，男性では管理職のほうが一般職より高かったものの，常勤の女性一般職は女性管理職とほぼ違いはなかった．性別や責任によらず，自己実現の経験が「やりがい」を増やす関係にあることを示した．また，常勤の女性一般職を除き，仕事に意義を感じない心理状態（仕事への心理的距離）が「やりがい」を減じる関係にあり，疲労感が「離職意図」と関連した．